「容疑者Xの献身」東野圭吾
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朝青龍、ディープインパクト(最後はコケたけど)、宮里藍、小泉純一郎、浅田真央もそうかもしれない。
ミステリシーンでも同様に、年間ベストはこの「容疑者Xの献身」がほとんどタイトルを独占するといった状況になっている。
ガリレオシリーズとかいうらしい連作の初長編ということは、「このミス」の受賞コメントを読んで初めて知った。が、まあ、他のは読まないでも大丈夫だという声もあるので、いきなりこれを読んでみることにした。
面白かった。なるほど評判どおりだ。泣けるといえば泣けるし、ミステリとしても創意もかなり優れたものだと思う。「白夜行」のほうが私的にかなり上を行くが、これを東野圭吾の最高傑作とする意見があっても、全然不思議ではない(と談じきれるほど東野作品は読んでないが)。
ただ、この作品が朝青龍なみの圧倒的な力を有しているかというと、それには首を捻らざるを得ない。まず、シリーズ主人公であるところの湯川のキャラクターが立っていないように思う。必要以上にエキセントリックに描く必要はないけど、なんかシリーズを背負って立つには物足りない。もうちょっとそのへんに枚数を費やしてもらえたら良かったんだけど、この本のネタが一発ネタだけに、ボリュームはこれくらいが適当と言われたらその通りかも。
それから、これもキャラクターと関係してくるんだけど、天才同士の対決といった体裁をとりながら、ふたりの天才ぶりが際だってない。もう少し知的闘争部分を描き込んでもらえたらなあ。やはり、真相が単純なだけに、描きようにも描けなかったんだろうけど。
この作品をめぐっては、二階堂黎人が自サイトの日記に、本格ミステリに関する持論まじえて感想をアップしたことから、同掲示板では議論にまで発展している。まあ、それは景気よくやっていただくとして、氏が指摘している真相は興味深いものだった。なるほど、そう読んでもいいし、確かに東野らしくもある。 (05/12/23読了)

